公益財団法人静岡県結核予防会 平成25年度事業計画
当会は、平成25年4月1日から公益財団法人静岡県結核予防会と名称が変わるが、事業については従来どおり静岡県の結核予防と相俟って結核を中心とする疾病の予防に関する事業を行い、県民の健康増進に寄与することを目的とし、結核を中心とする疾病の予防のための健康診断の実施及び予防思想の普及、その他この法人の目的を達成するために必要な事業を行う。
結核を中心とする疾病の予防のための健康診断については、感染症法及び学校保健安全法による地域住民及び生徒等の結核検診、健康増進法などによる肺がん検診、胃がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診、大腸がん検診及び骨粗しょう症検診、労働安全衛生法による事業所健診、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定健診を、県内各地に所在する市町、学校、特養施設及び事業所他を検診車による巡回検診及び診療所所内検診において実施する。
検診結果のデータ管理及びフィルム管理を行い、要精密検査を必要とする方に対しては受診を勧めるなどの検診体制で取り組む。
さらに、平成25年度も引続き公益財団法人結核予防会と業務提携にあるJATA健康ネットワーク事業に参加し、全国的に展開している企業の健診を行う。
新規獲得の健診先に対しても信頼を築きその維持と新たな健康増進方法の創造のため努力して行く。
また、結核を中心とする疾病の予防思想の普及に関する啓発活動を進めるため、県内行政機関、静岡県結核予防婦人会との連携のもとに結核予防週間キャンペーンの実施及び複十字シール運動などを展開し、ポスター、パンフレット等の関係機関への配布並びに出版物の頒布及びパネルの貸出し、講演会の開催、機関誌の作成などを通して、結核予防思想の普及向上に努める。
Ⅰ 結核を中心とする疾病の予防のための健康診断の実施
1 住民検診
県内各地において、市町(山間地等を含む)の住民を対象に、検診車による結核検診や各種がん検診を実施する。
核検診や各種がん検診を実施する。
区 分 |
25年度計画 |
24年度見込 |
24年対比 |
|||
住民検診 |
結核検診(間接撮影) |
9,425 |
人 |
9,425 |
人 |
0.00% |
|
肺がん検診(間接撮影) |
7,024 |
人 |
7,024 |
人 |
0.00% |
|
結核・肺がん検診(間接撮影) |
45,481 |
人 |
45,473 |
人 |
0.02% |
|
(直接撮影) |
72 |
人 |
72 |
人 |
0.00% |
|
肺がん喀痰細胞診検査 |
2,000 |
人 |
2,000 |
人 |
0.00% |
|
胃がん検診 |
7,755 |
人 |
7,755 |
人 |
0.00% |
|
乳がん検診 |
5,650 |
人 |
5,650 |
人 |
0.00% |
|
子宮頸がん検診 |
2,174 |
人 |
2,174 |
人 |
0.00% |
|
大腸がん検診 |
4,000 |
人 |
4,000 |
人 |
0.00% |
|
骨粗しょう症検診 |
810 |
人 |
810 |
人 |
0.00% |
主要要因は、プラスの要因として実施人数は平成24年度と同数を見込むが、1市が胃がん検診をデジタル撮影料金に変更となり、486万円増。しかし、マイナス要因として2市が胸部検診単価値下げで179万円の減で、全体で311万円増となる。
2 学校検診
県内各地の高等学校、特別支援学校、専門学校、大学等において、生徒及学生等の健康保持増進のため、検診車による健康診断を実施する。
区分 |
25年度計画 |
24年度見込 |
24年対比 |
|||
学校検診 |
結核検診(間接撮影) |
46,555 |
人 |
46,675 |
人 |
-0.26% |
|
結核検診(直接撮影) |
123 |
人 |
123 |
人 |
0.00% |
主要要因は、マイナスの要因としては県立生徒募集定員減で15万円減、2つの高等学校の職員が他の医療機関ヘシフトしたため8万円減、1大学の学生と職員が減で30万円減であるが、プラス要因として浜松の私立高校の新規獲得24万円で、全体で29万円減となる。
3 事業所検診(総合健診も含む)
県内各地の職域を対象とし、事業所、行政職、教職員等、規模や事業の形態にかかわらず、働く人の健康を確保するための健康診断を実施し、施設内においても特定健診・生活習慣病健診等の総合健診を実施する。
区分 |
25年度計画 |
24年度見込 |
24年対比 |
|||
事業所検診 |
結核・肺がん検診(間接撮影) |
50,028 |
人 |
49,528 |
人 |
1.01% |
|
結核・肺がん検診(直接撮影) |
4,841 |
人 |
4,723 |
人 |
2.50% |
|
胃がん検診 |
5,653 |
人 |
4,746 |
人 |
19.11% |
|
乳がん検診 |
1,594 |
人 |
1,594 |
人 |
0.00% |
|
総合健診 |
19,370 |
人 |
18,280 |
人 |
5.96% |
主要要因としては、総合健診で3事業所を新規獲得で1,332万円増、1大学を入札で取り返し350万円増、全体で 1,682万円増となる。
4 施設検診・接触者検診
結核感染を防ぐため、特別養護老人ホーム等の施設検診や県保健所・市保健所からの依頼による接触者検診を実施する。また、車椅子の方や寝たきりの方のために、必要に応じて車椅子対応のリフト付き検診車やポータブル機器での撮影を行う。
区分 |
25年度計画 |
24年度見込 |
24年対比 |
|||
施設検診 |
結核・肺がん検診(間接撮影) |
1,375 |
人 |
1,375 |
人 |
0.00% |
|
結核・肺がん検診(直接撮影) |
912 |
人 |
912 |
人 |
0.00% |
|
総合健診 |
534 |
人 |
534 |
人 |
0.00% |
接触者検診 |
結核検診(直接撮影) |
417 |
人 |
417 |
人 |
0.00% |
平成24年度と同数となる。
Ⅱ 結核を中心とする疾病予防対策の調査
住民検診実施後、医療紹介連絡票に基づく要精検者の結果の集計を行う。
Ⅲ 施設、設備の整備
健診事業の充実と精度向上と受診者増を図るため、レントゲン機器メーカーが平成27年度末でアナログフィルムの製造を中止することを踏まえて、25年度から当会が所有しているアナログ機器搭載の胸部検診車をデジタル機器に更新する。
さらに、総合健診が胸部デジタル化を一番必要としているが、現在総合健診で18年使用している検診車は、デジタル機器に更新ができない車両のため、今回10年使用の中古胃・胸部車を購入し、デジタル仕様にする。
また、施設健診を充実して行く上で、耐震化が出来ていない当会事務所建屋の建替えが必要であり、今後も引き続き費用捻出に努める。
Ⅳ 結核を中心とする疾病の予防思想の普及
1 複十字シール運動の趣旨
複十字シール運動は、世界80カ国で行われている。目的は、結核・肺がん・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患をなくし、健康で明るい社会をつくることである。募金をしていただいた方に複十字シールを差し上げ、それを使うことで、さらに多くの方にこの運動を知ってもらうものである。
わが国では昭和27年から国民的運動として発展し、当会でも昭和29年より運動を行っている。
この益金は、公益財団法人結核予防会(本部)を通して、途上国の結核対策(国際協力)や結核予防の広報や教育資材の作成・全国の結核予防団体の活動・結核の調査研究費に使われている。
この複十字シール運動の趣旨を理解し、静岡県、市町、静岡県結核予防婦人会などと連携し、マスメディア等の媒体を通して結核予防思想の普及、啓発に努める。
2 募金目標額
15,000千円 (組織募金 13,200千円 郵送募金 1,800千円)
3 運動期間
平成25年8月1日から12月末日まで
4 運動方法
(1)組織募金
従来どおり、静岡県結核予防婦人会の各支部に対して、それぞれの実情に即した方法で募金活動を依頼する。また、募金活動資金として募金額により定めた額を還元する。
(2)郵送募金
郵送により個人、寺院、神社、事業所、各種団体に募金をお願いする。
(3)その他
秩父宮記念公園(御殿場市)での「桜まつり」において普及啓発活動を行う。また、同施設に募金箱を年間設置し、募金をお願いする。
5 全国結核予防週間における啓発
全国結核予防週間 平成25年9月24日(火)~30日(月)
啓発内容
① 結核予防キャンペーンの実施
ア 開催日 平成25年9月(結核予防週間中)
イ 場 所 静岡市大型ショッピングセンター施設内(予定)
ウ 実施内容
静岡市、静岡県結核予防婦人会と協力して、結核予防啓発リーフレット・啓発資料を配布するなど結核予防を呼び掛ける。
② ポスターの広報資料の配布及び掲示による広報
ア 結核予防等の正しい知識と対策が広く県民に浸透するよう、ポスターの掲示・資料の配布を県・市町に依頼する。
イ バスや電車内のポスター掲示などで結核予防を呼び掛ける。
③ 県内各地での結核予防キャンペーン
静岡県結核予防婦人会各支部の協力を得て、県内各地において結核予防のパンフレット、ポケットティッシュ等の配布とともに複十字シール募金運動街頭キャンペーンを実施し、結核予防思想の普及啓発を図る。
④ 報道機関等を通しての広報
結核予防週間キャンペーン等の実施案内を報道機関へ資料提供する他市役所の広報誌への掲載を依頼する等広報に努める。
6 広報資料の作成、配布
(1)広報誌「結核しずおか」の発行
年2回発行し、県民の健康増進に寄与することを目的に結核予防を中心とする知識の普及啓発及び当会事業内容を掲載する。
県、市町、病院等関係機関、事業所、複十字シール募金者等に配布を目的に3,000部を発行する。
(2)啓発カレンダーの作成、配布を県、市町及び関係機関に配布する。
(3)結核予防週間ポスター及びパンフレット(公益財団法人結核予防会作成)を県、市町に配布する。
(4)「複十字」(公益財団法人結核予防会作成)、「健康の輪」(全国結核予防婦人団体連絡協議会作成)の冊子を県、市町及び関係機関に配布する。
(5)結核予防・啓発用パネル等の貸出し 県、市町及び医療関係機関等に無償で貸出す。
7 報道機関等への情報提供
結核予防関係の主要行事、結核予防関係資料等ニュース素材を報道機関に極力提供、広報活動の充実に努める。
8 県、市町、各種団体が行う健康まつり等へのイベントに参加
県、市町、関係団体の各種行事に参加、結核、肺がんに加えて、胃がん、乳がん等のパネル等を展示、併せて啓発資料を配布するなどの他、検診を受託している市町の未受診者の追加検診等を行うなど工夫を図る。
9 予防資材取扱事業
公益財団法人結核予防会が出版している一般向けのパンフレットや医師、保健師、看護師、行政事務職向けの専門書を販売し、結核に関する知識の普及啓発に努める。また、研修会や会議等で広く出版案内を行う。
10 ホームページでの情報公開
当会は、公正で開かれた活動を推進するため、平成25年4月にホームページをリニューアルし、活動状況、運営内容、財務資料等を積極的に公開する。
Ⅴ 結核を中心とする疾病予防に関する講演会の開催
県民の健康増進に携わる県、市町の行政担当者や保健師等に専門家の医療情報を提供し、正しい知識を県民に広めることを支援するため、公益財団法人結核予防会、結核研究所等の医療専門職の方を講師に招き、年1回の講演を開催する。
Ⅵ 表 彰
結核予防事業功労者(個人)及び結核予防対策推進優良市町(団体)の表彰を行う。
Ⅶ 関係機関との連携
結核予防活動を行っている静岡県結核予防婦人会に対して全面的に協力、次の支援を行う。
① 静岡県結核予防婦人会総会、会議等
② 結核予防リーダー研修会
③ 結核予防婦人団体中央講習会
Ⅷ その他
1 事業運営の改善等
健診事業を取り巻く状況の変化に適切に対応していくために、情報収集及び営業活動を強化して、検診の円滑な実施に取り組むと共にサービスや検診の質の向上に努力し各種改善を図る。
2 職員の資質向上
(1)公益財団法人結核予防会主催の研修会へ参加
① 公益財団法人結核研究所が行う各種研修及びセミナーへ参加
② 結核予防会事業協議会研修会へ参加
③ 結核予防会全国支部事務局長研修会へ参加
④ 管理職経営セミナー・事務職員セミナーへ参加
(2)学会、各種団体主催の研修会、講習会へ参加
① 学会、各種団体が行う研修会、講習会に積極的に参加し、知識、精度並びに技術の向上等を図る。(胸部画像精度管理研究会、静岡県放射線技師学術大会及び講演会等)
② 業務に必要な資格取得の講習会に参加する。(第一種衛生管理者等)
(3)静岡県結核予防婦人会主催の研修会支援
静岡県結核予防リーダー研修会(静岡県からの委託事業)の後援を行い職員も研修会に参加する。
3 会議の開催等
(1)当会の定時評議員会及び定時理事会を開催
(2)当会の臨時評議員会及び臨時理事会を開催
(3)委員会活動
職員の資質向上を図るため接遇、危機管理、安全運転の各委員会を開催
4 ブロック会議、連絡会議
(1)平成25年度東海北陸ブロック会議(岐阜県で開催予定)へ出席
(2)平成25年度結核予防会全国支部事務連絡会議(東京都で開催)へ出席
5 結核予防全国大会
第65回 平成26年3月 島根県で開催される予定